値上げ

銅の相場が急騰している。
そのアオリを受けてウチのメイン商品達が全メーカー値上げになる見込みだ。
業界最大手のS友が先陣を切って値上げに踏み込んだのだが、実際、この住Tが価格破壊を引き起こしていた張本人なので(と言われている*1)、いわば自業自得なのである(オレの見解だが)。第一、変動相場制でかなり値段が上下する「銅」という原材料を100%使った製品に「定価」があって、しかも「安値安定」って方がおかしいのだよ。

しかし、実は1番困っているのは銅メーカーではない。もちろん、ウチの会社も影響受けるのは確かなんだが、最も影響を受けるのは、この銅製品を使って金を稼いでいる職人達であったりする。つまり、うちのお客たちだ。彼らは、銅が値上げするからといって、エンドユーザーや雇い主であるゼネコン・サブコンに「値上げです」とは言えない立場にいる。だって、物件の予算総額は変動しないのだよ。材料費が上がるのは使う人の問題っていう業界の常識がある。つまり、うちのお客たちは「自分の技術料」を値引くしかないわけだよ。技術の安売りを余儀なくされるわけだな。更に、「工事代の値上げしてくれ」なんて言った日には、もう次の仕事が来ないってヤツだ。理不尽だねぇ。

ところが、この技術の安売りってモノが、実はもう随分まえから始まっているのだ。こっちの原因の張本人はいわゆる家電量販店ってヤツなんだが、この量販店について語ると長くなるので、それはまた今度にしよう。

とにかく、今回の「値上げ」でメーカーが泣きを入れたわけだが、一番こまっているお客たちが100%値上げ分を被ると食っていけない人も現れるので、当然のようにオレら中間業がなんぼかでも被ってあげる形となるわけである。ま、更に言わせて貰えば、ゼネコン・サブコンに直売すると、工事の材料等が全部「支給」という形でオレらの手から離れるので、オレらは完全に洋梨と化す。ああ、甘くて美味しい。オレらを殺す気ですか?と言いたい。というか殺したいんだろうな。

なのに、こんなメーカーの尻拭いを何故かオレらまでがやることになるわけだ。これではメーカーの自業自得にならんぞ。何にも痛い思いしてないじゃないか。書いててドンドン不快になってきた。これでオワリ。

*1:モノを売りたい一心で、卸を通り越してゼネコン・サブコンに直売してしまったとか、自社関連企業が銅製品分野の販売店展開を開始したのでついつい安く製品を出荷してしまったら、その販売店がマーケットに食い込む為にかなり安値で乱売したとか。愚かです。