アピシウス(フランス料理)*3

半年後ぐらいに会おう


10月10日はカミさんの誕生日なのです。というわけで、お誕生日記念レストランの旅〜という感じで、有楽町の「アピシウス」へ。というか、まずは予約の段階で非常に緊張してしまって、たどたどしいホスト全開です。

「た、た、誕生日だったりするんですが、そうゆう、なんというか、えー、なんかありますか?」なんて質問して「誕生日ケーキをご用意できますが」という有難い返事に

「もしかしてデカイっすか?」と突拍子もない質問をして相手を困らせ「えー、お料理につけるケーキとは別にお持ち帰りできるようにつつみますので。」という有難い返事に

「そうですか…。わかりました。」と言葉少なに電話を切ろうとしたところ、「あ、お客様、ケーキはどうしましょう。ご用意いたしましょうか?」と突っ込まれ、

「あ、はい。お願いします」といって切ろうとしたら「あ、お客様、ネームなどもお入れできますが」と更に突っ込まれて真っ白になりながら

「あー、えーっと○○で」と答えて「よろしくお願いします」と切ったオレ。あーしんどい。


という事で予約さえ取り付けてしまえば、あとはレストランでレディファーストを見誤ったり、ワインのテイスティングで咳き込んだり、ナイフとフォークを落したり、「がはははは」と大声で笑わなければOKです。ちゃんと普通に革靴にジャケットにネクタイさえ着込んでれば普通なはずです。で、ゴールデンウィーク以来(要は「レカン」以来)のスーツに袖を通し、孫にも衣装な状態でオレにもスーツですよ。年中冬物だけど(それしかない)。


さて、季節的に「ジビエ」なシーズンなわけですが、正直いって、フランス料理を極めているわけでもないオレとしては唐突にジビエなぞ喰ったってそれが凄いのか美味いのか判ろうはずのないので、普通の料理でトライです。グランメゾンで初めてのアラカルト注文デビウです。

  1. 食前酒(シャンパン)
  2. アミューズ(きのこのテリーヌ?)
  3. グラスワイン(白・不明)
  4. ほろほろ鳥のパテ・パイ包み
  5. グラスワイン(赤・不明)
  6. ダチョウのフィレ肉のロースト
  7. チーズ(ミモレット←森さん記念・コンテ・ヤギのなんだ?ピラミッドみたいなの)
  8. コーヒー


本当は「うにとキャビアのムース」と「オマールエビのエチューベコリアンダー」というものも食べてみたかったんですが、サービスの方が「ボリュームありますよ」と。スープとデザート抜かしてーなんて計算高く攻めたんだけどな。しかし、結局は「ほろほろ鳥」と「ダチョウ」と、鳥づくし(笑。まったくオレらしい。ほろほろ鳥なんか、ついこの前に白金台でも食べてるのに。

一方のカミさんはいろいろ迷った挙句、結局は前菜をキノコ、メインをジビエ(小鴨)という季節のものに。


夫婦そろって前菜がパイ包みだったせいで、前菜の登場に時間が少しかかった。あまり気にはならなかったが、サービスの方が気を利かせて壁に掛けられている絵画の説明などをしてくれたりした。思わず「王様のレストラン」というドラマを思い出す。腹へってるせいかオリーブとシャンパンが美味い。

で、いよいよ料理が到着。前菜であるはずなのにほろほろ鳥がこれがまた多い。充分にこれがメインの量。パイを抜けばちょうどいい感じだったかも。しかし、肝心のほろほろ鳥は完全にだんご状態になっててものすごく丁寧なハンバーグのような(我ながらしょうもない評だ)。ソースが美味しかったので、よくソースに絡めて頂く。メインのダチョウは…見た目の割りに意外にクセが無くて非常にさっぱりとした味。横から行儀悪く貰った小鴨がしっかりした肉の味がする分、「おお!鳥の味だ」と美味しく感じる。まあ、ダチョウはダチョウで美味しかったのだが。この半分の量でちょうど飽きないぐらいな感じか?ちょっと多かったな。

チーズは森さんで有名になったミモレットを貰う。サービスの方までもが「森さんのお陰で〜」とネタにしていた。頼んだわけじゃないのに盛ってくれたコンテがとても美味しかった。

デザートは頼まなくて正解。とても腹に入る状態とは思えず。


という事で、料理自体は意外と「軽く」感じた。のは、たまたま選んだものがそうゆうものだったからかもしれないが、店内が意外と明るくサービスの方もベテランっぽく気さくで気取ってない感じでかなーりラフに構えられた。カミさん曰く、目を上げるとサービスの人達全員と目が合いそうになって困るとの事だが(配置の関係だね)。アラカルトで必要な分だけにしぼったのが効いて、ぐっと構えた程の値段にはならず。GWの時の緊張しまくったレカンの時とは対照的なくつろぎのあるグランメゾンという感じ。気楽に来るにはいい感じ(気楽に行けるグランメゾンなど無いとは思うが)。