R社のH氏

うちの会社にR社のH氏がいつものようにニヤニヤしながら入ってきた。
『いやー、わるかったね、ピロQくん』と白い封筒をポケットから取り出すH氏。
『なんでしたっけ?』というオレ。
『会社にナイショの分のオレの支払』というH氏。
『あぁー、判りました』と答えるオレ。
『それでさ、相談なんだけど(ニヤリ)』とH氏。

「あーまたかよ…」とココロで思うオレ。なんか知らんがこの人の相談は面倒な話が多い。

『本当は手形で貰ってくる予定だったんだけどさ、それを現金で払うから、その決済日までの金利分を値引いてくれよ』というH氏。
『えー、4ヶ月分の金利?』と不満なオレ。だって、この支払自体が4ヶ月前の売掛が遅れに遅れての支払なのだ。
『あー、(金利が)判らない?社長いないかな』と早くもオレを相手にしない様子。
『いや、判らないんじゃなくて…金利はまあ計算すれば判るとして…。ていうかもう(社長は)出ましたヨ。』とオレの机の棚から資料を探すオレ。ところがコレが見つからない。隣りのキャビネットの資料まで漁るオレ。
『あー資料が出てこないナー』とぼやくオレ。
『んー、ピロQくんじゃ判らないか。社長呼んでよ』というH氏。
『ていうか値引は無理ですよ。社長に聞くまでもなく』というオレ。
『いいから社長呼んでよ』と引かないH氏。

ここで「はて?」と思うオレ。つい先日もこの人と「4%の値引が〜」という交渉をやったばかりだ。しかも夢の中で。というのを思い出した。「まったく困った人だ」と思うオレ。
で、右にいた社長(←時間が飛んだらしい)に
『こんな事言ってるんですけど』というと、
『だって、それ第一、4ヶ月前の売掛じゃん』と当然なつっこみ。
『そうだよねぇ』とオレ。
『当たり前っす』と社長は呆れ顔で相談にならない話に。
なわけで、この怒りを日記にぶつけよう。とか思うオレ。「あーでも、こうゆう話って「怒った」事しか覚えてなくて起きた時になんか不機嫌なだけで終っちゃうんだよな」と思い、メモに書こう!と決意するオレ。
で、ベッドの中からメモを取るためにエンピツとノートを探すわけだが当然のように見つからない。しょうがなく携帯のメールで「H氏・値引・5000円」と書いて…とした所で、「いや、5000円てのは半端だよな。日記的にはもっと金額大きくしようか…」なんて訳わからない事で5000円を50000円にする。「いや、作り込みはいけないよな。あくまで見たまんまで」とモラルに反する思いに悩むオレ(←いったい何のモラルだ)。結局、元の5000円にして、携帯を閉じて再び寝りにつくオレ。その時点で「はて?何で5000円なんだ?」と思うオレ。「金利を計算したんだよな。で、その金額になったんだよな」とか思うわけだが金利の計算式が思い出せない。んーーーーと苦しんでいるとメモったはずの携帯が遥か1m向こうの床の上でケタタマシク「おきれー!」と泣き叫んでいた。おかしい、ほんの数秒前まで左手に握っていたのはナンだったんだ。

とりあえずメモ無しで覚えてられたのは怒りのパワーだと思われる。問題はたまに現実でこうゆう事件をH氏が起こすという事だろうか。